セントラルキッチン

通常、病院や福祉等の各施設では、その施設内の厨房で調理を行う、いわゆる院内調理によって食事を提供しています。
それに対し、院外で調理を行い、複数の施設に対応した食事を大量、安定的に提供するシステムをセントラルキッチンと呼びます。
セントラルキッチンで一括作業を行うことで、調理コストの低減、食品衛生管理の徹底による安全性の向上など、大量調理によるスケールメリットを生み出すことができます。

セントラルキッチン導入のメリット

食事サービスの安定・向上

  • 複数の施設分の調理を同時に行うため、品質のバラツキを抑え、安定させることができます。
  • 計画製造を行うため、選択食や特別メニューを充実させる事ができます。
  • 時間管理、温度管理を確実に行うことにより、食事の安全性が向上します。
  • サテライトキッチンでは調理済み食品を受け取ることから、検収から加熱調理時間・人員を削減できます。
  • サテライトキッチンでは配膳時間が厳守されます。

管理の徹底

  • 作業の平準化に伴い労働環境が向上します。
  • 作業のマニュアル化により、新人であっても熟練者と同様の料理を調理できます。
  • 衛生管理や時間・温度管理など、従業員の衛生に対する意識が向上します。
  • セントラルキッチンでは計画調理により、日勤時間帯での就業を実施することができます。
  • セントラルキッチンは調理、サテライトキッチンはサービスと業務内容を区分することができ、作業効率が向上します。

コストの見直し

  • 大量調理によるスケールメリットにより、人件費、材料費、消耗品費といったコストを削減します。
  • 計画的に調理を行うことにより、生産性が向上します。
  • 早出や遅出・残業といった超過勤務を削減します。
  • 作業の平準化/マニュアル化により調理員のパート化ができます(調理技術の格差が無くなります。)
  • サテライト施設では再加熱・盛り付け・配膳までの業務により、人員のパート化がはかられます。

セントラルキッチンの調理方法

セントラルキッチンは、厚生労働省より発表されている「病院、診療所等の業務委託について」(平成20年8月29日 医政経発第0829003号)に記載されている、以下の条件を満たし設計されます。

その中で「調理方式としてはクックチル、クックフリーズ、クックサーブ及び真空調理の4方式があること」

「院外調理による患者給食業務による給食業務を行う場合にあっては、常温(10℃以上、60℃未満)での運搬は衛生面での不安が払拭できないことから、クックチル、クックフリーズ又は真空調理が原則であり、クックサーブを行う場合には、調理加工施設が食事提供施設に近接していることが原則であるが、この場合にあっても、HACCPの概念に基づく適切な衛生管理が行われている必要があること。」と定められています。

クックフリーズ
  • 計画的に加熱調理した食材を急速冷凍し-18℃以下で保存。
  • 喫食時間に合わせて再加熱を行い盛り付け提供するシステムです。
クックチル
  • 計画的に加熱調理した食材を急速冷却しチルド温度帯で保存。
  • 喫食時間に合わせて再加熱を行い盛り付け提供するシステムです。
真空調理
  • フィルム素材容器などに食材を調味料と詰め、真空包装し低温加熱する調理法です。

※各調理法については新調理システムをご参照ください

セントラルキッチンから配膳までの作業フロー

1.クックサーブ方式(食缶配送)

2.クックサーブ方式(配膳車配送)

3.クックチル方式(ホテルパン配送/パック配送)

4.クックチル方式(再加熱カート配送)