中西製作所(以下、当社)では、2023年12月に日本式学校給食が実施されているベトナムの小学校2校へ、学校給食用保温食缶を寄贈いたしました。
寄贈式で現地の小学校を訪れた際、そこでは日本で実施されている学校給食と近しい光景と、現地の特性・食文化を取り入れながら学校給食を運営している様子を見ることができました。
当社はこの経験から海外の学校給食について興味を持ち、世界各国に普及し始めている日本式学校給食について調査をすることにいたしました!
今回は韓国の学校給食について、調査内容をレポートいたします。
寄贈式で現地の小学校を訪れた際、そこでは日本で実施されている学校給食と近しい光景と、現地の特性・食文化を取り入れながら学校給食を運営している様子を見ることができました。
当社はこの経験から海外の学校給食について興味を持ち、世界各国に普及し始めている日本式学校給食について調査をすることにいたしました!
今回は韓国の学校給食について、調査内容をレポートいたします。

目次
韓国で行われる学校給食の概要
韓国の学校給食は1953年で初めて実施されました。その後、小学校給食は1993年から大きく拡大し、1998年からは全国すべての小学校で実施され、高校まで広がっていきました。韓国教育部「2020年学校給食実施現況」によると、人数比では99.9%が給食を利用しています。
学校給食は、原則土曜日を除く授業日の昼休みに主食と副食を提供します。
学校給食は学校教育の一環として運営され、生徒の発育と健康に必要な栄養を充足できる食品で構成されなければならず、給食管理においても衛生と安全に徹底を期さなければいけないという点では、日本での考え方や法律と似ています。
韓国では、栄養および管理基準は大統領令や学校給食法で定めるようになっています。
学校給食は、原則土曜日を除く授業日の昼休みに主食と副食を提供します。
学校給食は学校教育の一環として運営され、生徒の発育と健康に必要な栄養を充足できる食品で構成されなければならず、給食管理においても衛生と安全に徹底を期さなければいけないという点では、日本での考え方や法律と似ています。
韓国では、栄養および管理基準は大統領令や学校給食法で定めるようになっています。
韓国の学校給食の特徴
給食の運営
韓国では教育委員会ではなく、学校長が学校給食の運営委員長となっている等、栄養士だけでなく、学校長が担う役割が大きくなっています。また、学校長が学校運営委員会や学校給食委員会の審議を経て、提供時間、栄養基準、および提供回数を決めることができます。
韓国の給食運営について、各学校に給食室を設ける単独校方式が主であり、学校給食センター方式は非常に少ないと考えられます。
韓国の給食運営について、各学校に給食室を設ける単独校方式が主であり、学校給食センター方式は非常に少ないと考えられます。
給食無償化の動き
韓国では無償提供ではありませんが、国と自治体の連携によって実際は小中学校では無償化となっています。また、ソウル市・釜山市では2021年度から高校生の給食も無償化されており、給食無償化が広がっています。
日本では、文部科学省の調査によると、2018年度の学校給食費無償化の実施状況について、調査対象となった自治体のうち小・中学校の給食の無償化を実施していたのは約4.7%でした。
当社では、従業員の子どもの給食費を会社が補助する「給食費補助制度」が設定されています。当社社員が負担している年間の給食費負担額を調査したところ、無償であると回答したのは小学校で14.4%、中学校で12.3%とわかりました。 韓国での給食無償化の動きは、日本と比べても先んじていることがわかります。
日本では、文部科学省の調査によると、2018年度の学校給食費無償化の実施状況について、調査対象となった自治体のうち小・中学校の給食の無償化を実施していたのは約4.7%でした。
当社では、従業員の子どもの給食費を会社が補助する「給食費補助制度」が設定されています。当社社員が負担している年間の給食費負担額を調査したところ、無償であると回答したのは小学校で14.4%、中学校で12.3%とわかりました。 韓国での給食無償化の動きは、日本と比べても先んじていることがわかります。
アレルギー対応
日本では、文部科学省により「食物アレルギー対応指針」が提示されており、食物アレルギー事故防止の取り組みを推進しています。
韓国でも、学校給食法にて学校給食献立表にアレルギー誘発食品の情報開示が義務化され、対策が樹立されています。学期が始まる前にアンケート調査を実施し、保護者に相談の上、給食委員会で対策を立てて公開しているようです。
韓国でも、学校給食法にて学校給食献立表にアレルギー誘発食品の情報開示が義務化され、対策が樹立されています。学期が始まる前にアンケート調査を実施し、保護者に相談の上、給食委員会で対策を立てて公開しているようです。

オーガニック食品の推進
韓国では、1990年代後半から国策として有機農業が振興されてきました。現在、学校給食の食材向けに相当量が使われており、2016年には生産されたオーガニック食品の3割程度が学校給食に使用されました。学校によっては、食材全体の9割を占めるところもあるようです。
有機農業の推進は世界的な流れになっていて、農林水産省の調査によると耕地面積に占める有機の割合はイタリア16%、フランス8.8%など。対して日本は0.6%と少なく、韓国は有機給食の海外事例としてよく取り上げられています。
有機農業の推進は世界的な流れになっていて、農林水産省の調査によると耕地面積に占める有機の割合はイタリア16%、フランス8.8%など。対して日本は0.6%と少なく、韓国は有機給食の海外事例としてよく取り上げられています。

韓国の学校給食の様子
調理室やランチルーム

給食の配膳
日本では給食当番を順番に担当し、自分たちで食事を取り分けるのがよくある光景です。これは自主性や協調性を育む教育の一環とされています。韓国ではこういった様子は見られず、配膳は調理員が行います。
また、日本では給食はトレイの上に食事をよそった食器を配置しますが、韓国ではクプシクパン(급식판)という1枚のランチプレートを使用し、凹みの部分に食事を取り分けるのも特徴です。
また、日本では給食はトレイの上に食事をよそった食器を配置しますが、韓国ではクプシクパン(급식판)という1枚のランチプレートを使用し、凹みの部分に食事を取り分けるのも特徴です。

まとめ
韓国での学校給食について、いかがでしたか。
基本的な衛生管理や栄養基準等の管理については日本の法律や指針と似ている箇所が多く感じられましたが、給食無償化やオーガニック食品の推進では他国と比べても先んじて取り組んでいることがわかりました。
また、韓国では深刻な少子高齢化も問題提起されており、現状非常に少ないと推測される学校給食センターへの移行の動きも気になるところです。
中西製作所は、今後も海外の日本式学校給食の情報をお届けする予定です。ぜひまたご覧ください。
【参考文献】
1)チョン・サンテク他(2018年).「親環境農産物学校給食現況調査研究用役最終報告書」.韓国農水産食品流通公社.地域農業ネットワーク協同組合.
2)キム・ヨン他(2011).「学校給食の地域農産物活用に対する農業人の認識に関する研究」.農村指導と開発第18号3巻.p569-590.
この記事は2024年5月時点の中西製作所による調査によって制作いたしました。間違い等がございましたら修正いたしますので、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。
基本的な衛生管理や栄養基準等の管理については日本の法律や指針と似ている箇所が多く感じられましたが、給食無償化やオーガニック食品の推進では他国と比べても先んじて取り組んでいることがわかりました。
また、韓国では深刻な少子高齢化も問題提起されており、現状非常に少ないと推測される学校給食センターへの移行の動きも気になるところです。
中西製作所は、今後も海外の日本式学校給食の情報をお届けする予定です。ぜひまたご覧ください。
【参考文献】
1)チョン・サンテク他(2018年).「親環境農産物学校給食現況調査研究用役最終報告書」.韓国農水産食品流通公社.地域農業ネットワーク協同組合.
2)キム・ヨン他(2011).「学校給食の地域農産物活用に対する農業人の認識に関する研究」.農村指導と開発第18号3巻.p569-590.
この記事は2024年5月時点の中西製作所による調査によって制作いたしました。間違い等がございましたら修正いたしますので、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。