EXPO2025大阪万博
「タイ館」体験レポート
~健康都市と食の未来を巡る旅~

2025年の大阪・関西万博では、各国が自国の文化や未来ビジョンを紹介するパビリオンを展開しています。

今回訪れた「タイ館」は、「健康都市としてのタイ」というテーマを掲げ、健康・食・医療・文化を軸にした展示を行っていました。

本レポートでは、現地での体験をもとに、展示内容を詳しくご紹介します。

視覚的な仕掛けが特徴の建物外観

タイ館は、片流れ屋根のシンプルな一階建てです。特徴的なのは建物の側面に設置された大きな鏡で、建物が反射して映ることで、屋根が切妻構造に見える視覚的な工夫が施されていました。

遠くから見ると建物が2倍に感じられるような設計で、訪れる人の目を引く仕掛けとなっています。

文化と暮らしを映像で紹介

入館後、まずはスタッフとキャラクターによる挨拶で出迎えられます。タイ語でのあいさつや軽い紹介があり、場の雰囲気は終始和やかでした。

その後はシアタールームへ案内されました。中央に配置された立方体の二面と周囲の壁面をスクリーンにし、映像が四方から迫ってくるような構造です。

映像では、タイ古式マッサージやムエタイ、家庭の食卓、日常の遊びや文化的な風景が紹介されており、都市と人々の暮らしの様子がコンパクトにまとめられていました。

映像全体を通じて、健康と食に関するシーンが多く取り上げられており、パビリオン全体のテーマと自然につながる内容でした。

食の未来に関する取り組み

シアターを出ると、次は「未来の食」をテーマにした展示へと進みます。ここではタイが開発を進めているさまざまな食品技術が紹介されていました。

植物由来のタンパク質を使った代替肉は、食感や風味が本物に近づけられており、環境負荷を抑えた食品開発の一例として展示されていました。

そのほかにも、栄養を強化した食品や、健康維持・病気予防を目的とした医療用食品、無農薬・無化学肥料で育てられたオーガニック食品なども紹介されていました。

どの展示も専門知識がなくても理解しやすいよう、インフォグラフィックやアイコンが多用されています。また、テーブルにお皿を置くと料理の映像が映し出され、名称や栄養情報が表示される仕掛けもあり、来場者の興味を引いていました。

健康チェックや体験型コンテンツも

次の展示エリアでは、「骨の健康チェック」が体験できるコーナーがあります。来場者が専用機器に手や足を置くだけで骨の状態を簡易測定でき、生活改善のアドバイスが画面に表示されるようになっていました。

さらに、「タイの公衆衛生の可能性」と題したコーナーでは、伝統的なアロマセラピー製品から最新の手術支援ロボットまで幅広い医療技術が紹介されていました。

こうした展示を通じて、タイがいかに伝統と先端技術を組み合わせながら、健康分野に取り組んでいるかが伝わってきました。

展示と連動した食の体験

展示をすべて見終えた後は、パビリオン内のフードエリアでタイ料理を実際に味わうことができます。

今回は「ガパオライス」を注文しました。

使用されていたひき肉は柔らかく、豆腐に近い食感でした。スパイスは控えめで、日本の子どもでも問題なく食べられそうな味付けです。タイ米が使用されているものの、しっとり感があり日本のご飯に近い印象を受けました。

また、売店で提供されていたパッタイも人気で、比較的手頃な価格ながら、味の評価も高い印象です。

実用的なヒントが得られるパビリオン

タイ館全体を通して感じたのは、展示構成の明確さとテーマの一貫性です。「健康都市としてのタイ」というキーワードのもと、文化、食、医療技術のすべてが整理されており、来場者に伝わりやすい内容となっていました。

また、体験型コンテンツや視覚的に工夫された展示が多く、子ども連れから専門知識を持つ来場者まで、幅広い層が楽しめるつくりです。

大阪・関西万博を訪れる際には、ぜひタイ館で健康と食の未来に触れてみてはいかがでしょうか。

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