EXPO2025大阪万博
「クウェート館」体験レポート
~体験する中東、感じる未来~

2025年の大阪・関西万博では、世界各国が自国の文化や技術、未来への展望を詰め込んだパビリオンを展開しています。

今回ご紹介する中東の国、クウェートのパビリオンでは、視覚や聴覚だけでなく、触覚や体の動きまでも使いながら、クウェートという国の歴史や生活、自然環境、そして未来への展望を知ることができます。

今回は、実際にクウェート館を訪れた体験をもとに、展示内容や見どころについて詳しくお伝えしていきます。

印象的な外観と来場者を飽きさせない導線設計

クウェート館は、横幅のある大きな屋根を備えた建物で、遠くからでも一目で見つけられる特徴的なデザインです。

入場までの通路には鏡張りの壁があり、自分の姿と民族衣装のイラストが重ねて映る仕掛けが施されています。来場者は写真を撮ったり、会話を楽しんだりしながら待ち時間を過ごせるようになっており、スムーズな導線と待ち時間も楽しめる点が印象的でした。

また、屋外での待機にもかかわらず空調が効いており、真夏の暑さの中でも快適に過ごせるよう配慮されている点も評価できます。

空間まるごとがメディアになる、迫力のシアター体験

最初のエリアは、シアター形式の空間です。中央に球体のスクリーンがあり、その周囲の壁や天井にも映像が映し出されるようになっています。

映像では、クウェートの自然、インフラ、文化、医療などが短時間で次々に紹介されますが、単なる映像の鑑賞では終わりません。室内の温度や風、ミスト、振動などを組み合わせた演出によって、視覚だけでなく体感的にも内容を伝える工夫がされていました。

ラストでは、自分自身の姿がスクリーンに映し出される演出があり、参加者が物語の中にいるような感覚が強調されていました。

触って、動かして、学べる展示エリア

シアターのあとは、複数の体験型展示が並ぶゾーンへと移動します。ここでは来場者が実際に手や体を動かしながら学べるコンテンツが用意されています。

砂場に投影された砂漠の生き物の映像は、触れると反応して逃げていく仕掛けがあり、まるで本物の生き物のような動きが再現されていました。

また、石油の採掘を模した展示では、ハンドルを回すことで地下資源を掘り出す動作を体験でき、クウェートの資源と産業を体験的に理解できるようになっていました。

洞窟のようなゾーンでは、クイズ形式でクウェートの文化や歴史を学べる展示もありました。

ほかにも伝統的なダンスを体験できるコーナーや、水ポンプの操作体験、滑り台のような遊具も設置されており、子どもにも配慮された展示構成になっていました。

展示エリア全体として、遊びながら理解が深まる構成となっており、参加型展示の強みがよく活かされていました。

癒しの空間とプラネタリウム体験

体験型の展示ゾーンを抜けたあとには、広めの休憩スペースが設けられています。白を基調とした天井や天幕、植物の配置など、視覚的にも落ち着いたデザインになっており、次の展示までの待機場所としても機能しています。

ここではソファに座ってしばらく休むことができ、前半の動きの多い展示エリアとのバランスが取れていました。

最後のエリアは、天井がドーム型になったプラネタリウムのような空間です。来場者は椅子に寝転がり、見上げる形で映像を鑑賞します。

映像はクウェートの夜空や星をテーマに構成されていました。演出の派手さを抑えたことで、ゆったりと映像を楽しめる構成になっており、パビリオン全体の締めくくりとして適していると感じます。

映像終了後には拍手が自然に起こるなど、来場者の満足度の高さもうかがえました。

体験を通して伝わる、クウェートの過去・現在・未来

クウェート館は、文化や産業、暮らしといった要素を来場者が実際に体を使って感じ取れるよう設計されており、結果的に記憶に残る展示となっていました。

これまでクウェートについて詳しくなかった人でも、展示を通して自然に知識やイメージを持てると感じます。

大阪・関西万博を訪れる際は、ぜひ体験しておきたいパビリオンのひとつです。

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