EXPO2025大阪万博
「未来の都市」体験レポート
〜人と自然が調和する未来〜

2025年の大阪・関西万博では、各国が未来の技術や社会像を紹介するパビリオンを出展しています。その中でも「未来の都市」パビリオンは、最新の技術とデザインを活用して、持続可能で暮らしやすい都市のあり方を示しています。

このパビリオンでは、インフラ、エネルギー、住宅、交通、農業、海洋分野に至るまで、多様な展示を通じて、未来都市がどう構築されていくのかを体験できるようになっています。

今回は、「未来の都市」パビリオンを実際に訪れた体験をもとに、その見どころをレポートします。

「未来の都市」パビリオンとは

「未来の都市」パビリオンは、「未来社会ショーケース」エリアの中心に位置しています。テーマは「幸せの都市へ」。環境保全と先進技術の融合により、人と自然が調和する都市像を提示しています。

私が訪れたのは平日の午後で、表示された待ち時間は30分程度でしたが、天候の影響もあって実際の待ち時間は10分ほどでした。

待機中には建物の外観や大型モニターの映像が目に入り、展示への期待が自然と高まりました。

映像と空間が一体化した演出

館内に入ると、天井から垂れ下がる複数の垂れ幕に映像が投影されており、都市の未来像が多角的に表現されていました。空間全体が一体となった演出により、映像の中に入り込んだような感覚になります。

通路は直線ではなく曲線で構成されており、来場者が自然に視界を動かして展示を眺めることができる設計になっていました。

2035年の生活を可視化する展示

垂れ幕のエリアを抜けると、「2035年の暮らしをのぞく」という展示エリアに移動します。

ここには、未来の生活シーンを具体的にイメージできる模型や映像が展示されています。再生可能エネルギーで運用される住宅街の模型や、自動運転車が走る街並みなど、技術の進化がどのように生活に取り入れられるかが示されていました。

特に、家族の日常や地域の関係性などをストーリー仕立てで紹介する展示が印象的で、単なる技術紹介にとどまらず、暮らしの変化を想像させる内容でした。

企業や大学による先端技術の紹介

企業や研究機関による先端技術の展示では、農業や海洋エネルギー、都市計画など幅広い分野から、未来社会を支えるアイデアが紹介されていました。

特に注目を集めていたのが以下の取り組みです。

クボタの汎用プラットフォームロボット

農業や建設など幅広い分野において、無人で作業をこなす自動運転ロボットです。車体が上下左右に可動して形状を変えられ、これらの機能により、省人化と効率化が期待されています。

商船三井の「WIND HUNTER」プロジェクト

風力で航行しつつ、水中タービンで発電した電力を用いて水素を生成し、それを液体燃料として貯蔵・輸送する仕組みです。特別な冷却や加圧をしなくても扱える水素エネルギーは、実用化が進めば次世代エネルギーの選択肢となる可能性があります。

こうした展示は、技術紹介以上に、その技術が社会課題の解決や人々の暮らしにどう貢献するかも示されていました。

サステナブルで人に優しい未来都市デザイン

「未来の都市」パビリオンでは、環境への配慮とともに、人に優しい都市デザインの重要性が随所で示されています。

展示では、高齢者や子ども、障がいのある方など、多様な人々が安心して暮らせる都市デザインも描かれています。移動のしやすさや住宅内外でのバリアフリー、さらにはコミュニティのつながりを大切にする街づくりのビジョンが、映像や模型を通して表現されていました。

「未来の都市」が描くビジョン

全体を通して印象的だったのは、最先端技術が単独で存在するのではなく、人々の暮らしや地域との関係の中にうまく取り込まれていたことです。ロボットや再生可能エネルギーといった技術の背後には、「誰が」「どのように」使うかという視点が常に存在していました。

未来の都市を形づくるのは技術だけでなく、それを選び、どう活用するかという私たち自身の判断です。「未来の都市」パビリオンは、ただの未来予想ではなく、私たちにその選択肢を投げかける存在だと感じました。

万博に足を運ぶ機会があれば、ぜひこのパビリオンを訪れ、自分自身の未来の暮らしを思い描いてみてください。

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