海外の学校給食をご紹介!~ブータン編~

中西製作所では、海外の学校給食の様子や、世界に広がる学校給食制度について調査を行っています。
第11弾目となる今回は、「世界一幸せな国」として知られるブータンをご紹介します。

「世界一幸せな国」として知られるブータンですが、学校給食は子どもたちの栄養改善だけでなく、教育機会の確保や地域社会を支える重要な制度として発展してきました。
首都部では弁当を持参する学校が多い一方、農村部では学校給食が子どもたちの健康と学びを支える重要な役割を担っています。

今回は、ブータンの学校給食の歴史や制度、実際の給食メニュー、地域に根差した取り組みについてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

 
1.ブータンの学校給食の歴史~WFP支援から自立への歩み~
4.地域とともに育てる学校給食 ~学校菜園とWFPの取り組み~
5.学校給食を支える調理環境と衛生管理
6.まとめ

ブータンの学校給食の歴史~WFP支援から自立への歩み~

ブータンの学校給食は、子どもたちの栄養改善だけでなく、教育機会を支える重要な制度として発展してきました。山岳地帯が多く、学校まで長距離を通学する児童も少なくないことから、学校で温かい食事を提供することは、健康維持だけでなく就学継続を支える役割も担っています。

制度の発展を大きく後押ししたのが、国連世界食糧計画(WFP)による支援です。長年にわたり食料支援や学校給食の運営を支えてきましたが、近年はブータン政府が主体となる体制へと移行が進められています。教育技能開発省(MoESD)を中心に、給食運営や栄養管理の仕組みが整備され、学校給食は国の教育政策の一つとして位置付けられています。

現在は、約500校・約8万人の児童生徒を対象に学校給食が提供されており、政府は学校給食を持続可能な制度として発展させるため、調達方法の見直しや学校菜園の推進、地元農産物の活用などにも取り組んでいます。国際支援から始まった学校給食は、ブータンの実情に合わせながら、地域に根差した制度へと着実に発展を続けています。

山岳国ならではの学校給食制度

ブータンの学校給食は、山岳地帯が多く人口が分散しているという国の地理的特性に合わせて運営されています。裕福かつ自分たちで食事を用意できる家庭が多い首都ティンプー周辺では、弁当を持参する学校が多いという現地の人からのヒアリングの情報があります。
一方、地方では学校給食が重要な役割を担っています。特に農村部では、給食が子どもたちの栄養確保だけでなく、安心して学校へ通い続けるための大切な支えとなっています。

また、地方には寄宿学校も多く、寄宿生には朝食・昼食・夕食の3食、通学生には昼食を中心とした食事が提供されています。献立は学校の給食担当者が作成し、校長や県教育官が確認します。また、教育省が定める栄養ガイドラインや専門栄養士の支援のもと、栄養バランスの確保が図られています。学校ごとの裁量が比較的大きいことも、ブータンの学校給食制度の特徴です。

食材の調達は地域の事業者から行われるほか、地元で生産された農産物も積極的に活用されています。一方で、山岳地帯では道路事情や天候の影響を受けやすく、雨季には輸送が遅れることも少なくありません。そのため、保存性の高い食材を活用した献立や、煮込み料理・スープなど大量調理しやすいメニューが多く採用されています。さらに、地方では電力供給が不安定な地域もあるため、薪を主要な熱源として調理を行う学校も残っています。こうした地域特性に合わせた運営は、ブータンならではの学校給食の姿といえるでしょう。

ブータンの学校給食メニュー ~伝統の味を学校給食に~

ブータンの学校給食では、米を主食に、レンズ豆や野菜、卵、肉類などを組み合わせた温かい食事が提供されています。献立には炒飯やスープ、豆料理などが取り入れられ、子どもたちが成長に必要な栄養をバランスよく摂取できるよう工夫されています。

献立は子どもたちの成長に必要な栄養バランスを考慮して作成されており、寄宿学校では朝・昼・夕の3食、通学生には昼食を中心とした給食が提供されるなど、学校形態に応じた運営が行われています。

ブータンの学校給食は、華やかな献立ではありませんが、地域の食文化を尊重しながら、子どもたちへ毎日温かい食事を届けることを大切にしています。シンプルなメニューの中にも、子どもたちの健康を支える工夫が詰まっています。

地域とともに育てる学校給食 ~学校菜園とWFPの取り組み~

ブータンでは、学校給食を単なる食事の提供にとどめず、子どもたちが農業や食について学ぶ機会として活用する取り組みも進められています。教育技能開発省(MoESD)と国連世界食糧計画(WFP)は、学校菜園(School Agriculture Programme)の推進を通じて、食育と農業教育を組み合わせた学校づくりを支援しています。学校菜園では野菜の栽培や収穫を体験し、子どもたちが食や農業への理解を深めることを目指しています。

ブータン政府は、学校給食を教育・栄養・地域農業を結び付ける重要な施策として位置付けており、子どもたちの健康づくりと持続可能な学校給食の実現に向けた取り組みを進めています。

学校給食を支える調理環境と衛生管理

ブータンの学校給食は、各学校に設置された厨房で調理されています。地方の学校では薪を主な熱源として使用し、一部では電気を補助的に利用しています。都市部ではガスや電気を使用する学校もありますが、地域のインフラ環境に応じて調理方法が異なることが特徴です。

食材は地域の事業者から学校ごとに調達され、学校内で調理・提供されます。現地ヒアリングでは、加熱温度を計測器で管理するのではなく、調理員の経験に基づいて火加減を判断している学校が多いことも確認されました。また、食器は学校が用意する場合と児童・生徒が持参する場合があり、食後の洗浄は子どもたち自身が行う学校も見られます。こうした運営方法は、学校の設備や地域の実情に合わせて柔軟に対応されています。

まとめ

いかがでしたか?
ブータンの学校給食は、子どもたちの栄養改善だけでなく、教育の機会を支える重要な役割を担っています。WFPをはじめとする国際機関の支援を受けながら制度が整備され、現在では政府主導のもと、持続可能な学校給食の実現に向けた取り組みが進められています。

また、学校ごとに調理を行う運営体制や、学校菜園を活用した食育など、地域の実情に合わせたさまざまな工夫も見られました。インフラ整備や設備面には課題が残る一方で、子どもたちへ温かく栄養バランスの取れた食事を届けるため、行政や学校、地域が連携して学校給食の充実を図っています。
ブータンの学校給食は、限られた環境の中でも子どもたちの健康と学びを支える仕組みとして発展を続けています。今後の取り組みがどのように進化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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この記事は2026年6月時点の中西製作所による調査によって制作いたしました。間違い等がございましたら修正いたしますので、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。