まず整理すべき項目について
- ランチタイム以外も有効活用できる空間にしたい
- 限られた予算とスペースの中で、満足度の高いメニューを提供できるか不安
- 導入後の精算や下膳(片付け)の流れまで、具体的にイメージがわかない
理想の食堂づくりには、厨房設計や費用の目安を知るための「事前の条件整理」が非常に大切ですが、最初から完璧なイメージを描けている人はほとんどいません。1946年の創業以来、厨房のトータルサポートに携わってきた中西製作所が、お客様と一緒に理想を形にするための「まずはじめの3つのチェック項目」をわかりやすく解説します。
目次
社員食堂設計の第一歩:まず整理すべき「3つの基本項目」
社員食堂や学生食堂の新設・リニューアルを検討する際、最初から「実際の運用シーン」が明確にイメージできていなくても、ご安心ください。理想の形を具体化していくステップとして、まずは基本条件を確認しましょう。ここでの慎重な検討が、将来的な利便性を決定づける鍵となります。
例えば、基本条件を整理する前に食堂設計を進めてしまうと、「厨房スペースが狭く、動きにくくて作業効率が悪い」「この機器はもっと能力の高いものにすればよかった」など運用開始後に困りごとに気づくケースが少なくありません。これは、提供するメニューの数や調理方法によって、適切な厨房の広さや、必要な機器とその能力が大きく変わるためです。
利用者に喜ばれる食堂と、働く方々にとっても快適で使いやすい食堂を両立させることは食堂運営において非常に重要です。将来にわたって後悔のない食堂を作り上げるためにも、まずは土台となる以下の3つのポイントを一緒に整理していきましょう。
厨房設計の基礎となる「提供食数」は、一般的に「食堂利用者数」のことを指します。図面を作成する上では、建物にいる全社員数ではなく、実際に食堂を利用する人数を想定することが、最適な機器選定の第一歩となります。
例えば、以下のような要素を考慮してリアルな利用者数を算出します。
- 出社率やシフト制の確認:テレワークの導入状況や交代勤務による人数の変動。
- 持参弁当派の割合:全社員のうち、実際に食堂のメニューを注文する人の割合。
- 来客利用の有無:打ち合わせや会議に伴うゲスト利用の想定数。
この利用者数(提供食数)をもとに、必要な炊飯能力や洗浄システムの規模といった具体的なスペックを決定していくことで、過不足のない効率的な厨房が実現します。
「回転数」とは、食堂の利用者を時間内に何回入れ替えるかを示す指標であり、食堂全体の面積を左右する非常に重要な要素です。回転数は「提供食数 ÷ 席数」という計算式で導き出すことができます。
例えば、回転数を多く設定すれば席数を減らして食堂全体の面積をコンパクトに抑えることが可能になりますが、その一方で運営時間が長くなるという側面もあります。また、朝・昼・夕それぞれの利用者数によって全体の食数が変わるため、冷蔵庫などのストック量や必要面積の増減にも影響を及ぼします。
どのようなスタイルで食事を提供するかによって、厨房や客席に必要な面積、そして全体のレイアウトは大きく変わります。提供方式には、主に以下の4つの方法があります。
- 単一メニュー:1種類の定食のみを用意して効率を高める方式です。工程を絞れるため、厨房面積をコンパクトに抑えやすいのが特徴です。
- カフェテリア方式:好きな料理をアラカルトで選べる形態です。対面サービスでは一般的ですが、メニューごとに提供口が必要なため、広めの面積が必要になる傾向があります。
- ビュッフェ方式:数十種類の料理から自由に組み合わせる方式です。ビュッフェ台の設置や、利用者の整列待機スペースを十分に確保することがポイントです。
- 弁当方式:あらかじめ調理されたものを配膳する方式です。外部配送の場合は厨房を最小限にできますが、施設内で盛り付けを行う場合は専用の弁当厨房を設けます。
提供食数が600食を超えるような大規模施設では、メニューに応じて列を分けたり、給茶や小鉢のエリアを分散させたりするなど、人の流れを止めない動線設計が利用者の満足度を左右します。
また、これらの提供方法に加えて、「精算方法」や「返却動線」についてもあわせてご検討いただくことで、より実運用に即した精緻なご提案が可能になります。
単一メニュー
一食につき、1種類の定食のみを提供する方式です。
厨房レイアウト:工程を絞れるため、全体として小規模になる傾向があります。
客席レイアウト:研修施設や寮などでの採用が多く、席の感覚が狭くなる傾向があります。
食堂全体の面積:カフェテリアやビュッフェ方式に比べ、面積を狭く抑えることが可能です。
カフェテリア方式
好きな料理をアラカルトで選択する形態です 。単品のみならず定食、麺、丼などの単位で提供され、対面サービスの場合はこの方式が一般的です。
厨房レイアウト:メニューごとの提供口が必要になるため、厨房は広くなる傾向があります。
客席レイアウト:回転数や使用する家具にもよりますが、広くなる傾向があります。
食堂全体の面積:定食、丼、麺など、提供するメニューの種類が増えるほど、面積も広くなります。
ビュッフェ方式
事前に用意されている数十種類の主食・主菜・副菜・汁物・デザートなどの中から、好きなものを自分で選び、組み合わせることができます 。事業所給食では量り売りでの提供が一般的です。厨房レイアウト:ビュッフェのみを提供している事業所給食はあまり例がないため、専用の調理機器は基本的にはありません 。ただし、保温のための温蔵庫や冷蔵庫が別途必要となります。
客席レイアウト:ビュッフェ台を設置する必要があるため、広くなる傾向があります。
食堂全体の面積:ビュッフェ台を配置するエリアや、利用者の整列待機エリアが必要になるため、広めの面積が必要になります。
弁当方式
お店であらかじめ調理したものを配達してもらう方式です。
厨房レイアウト:外部からの配達であれば厨房設備は必要ありませんが、別途、弁当厨房を設置して提供する場合もあります。
客席レイアウト:この方式自体が客席レイアウトに与える影響は、特にありません。
食堂全体の面積:弁当が配達される運用であれば厨房が不要になる分、全体の面積は狭くなります。ただし、弁当用厨房を設置する場合は面積が広くなります。
中西製作所では、1946年の創業以来、50食規模の小規模施設から900食を超える大規模施設まで、数多くの厨房設計・導入をサポートしてきました。ここでは、事例の一部をご紹介します。
北陸新幹線の開業を機に、本社機能の一部を東京から富山へ移転したことで新たな食堂が誕生しました。
新しく誕生した社員食堂は、工場の中にありながらもオフィス食堂のような快適な空間に。
主菜・副菜はクックチル方式を活用しつつ、炊き立ての富山米を対面で提供するこだわりのランチが楽しめます。
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■中西製作所とは
1946年創業の業務用厨房機器メーカーです。厨房機器の製造・販売、設計、施工、開設支援までトータルサポートを行っており、学校給食や外食産業において多種多様な大量調理現場を支えてきました。学生・社員食堂分野では、専門スタッフによる豊富な実績を軸に、お客様のニーズに合わせた最適な調理環境をご提供しています。