海外の学校給食をご紹介!~インドネシア編~

中西製作所(以下、当社)では、海外の学校給食の様子や、世界各国に普及し始めている日本式学校給食の状況について調査を行っています!

第6弾となる今回はインドネシアです。
インドネシアは首都ジャカルタを持つ東南アジアの島国です。
主食として広く食べられているのはで、ナシゴレンやナシチャンプルなどが代表的です。また、サテ、ルンダンといった肉料理や、ココナッツミルクや香辛料をふんだんに使った料理が多いのも特徴です。パンは主食というよりもお菓子という認識が強く、「米を食べないと食べた気にならない」という風土のようです。
    ルンダン
    ルンダン
     サテ・ナシゴレン
     サテ・ナシゴレン
食事は家族や友人と囲んで食べることが一般的です。屋台文化も盛んであり、市場や路上でローカルフードを楽しむことが日常の一部となっています。
インドネシアでは、実は2024年末に「無償栄養給食(MGB)プログラム」が試験的に導入され、学校給食の本格展開に向かっています。ぜひ最後までご覧ください。

 

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目次

インドネシアの学校給食の歴史

インドネシアでは、1990年に687万人の幼稚園児及び小学生に週3回の朝軽食(1食あたり約25円)を提供し始めました。その後、2010年に幼稚園児及び小学生に給食を提供する政府プログラム(PMTAS)を再開、2012年に世界食糧計画(WFP)によるインドネシア援助プログラムが実施され、2024年10月にプラボウォ大統領が就任し、無償栄養給食(MBG)プログラムの始動に至ります。
2020年頃まで公立学校は週休1日制、授業は昼までだったため、帰宅して各々昼食を取っていましたが、2023年頃から週休2日制となり、下校時間が14~16時頃になったため、お弁当を持参したり、学校内外の売店で購入したりするスタイルに変化したようです

無償栄養給食プログラム(MGB)

インドネシアでは、栄養不良、肥満・過体重、微量栄養素の欠乏の栄養不良の三重苦に直面しており、これに国を挙げて対処するために無償栄養給食プログラムが開始されました。インドネシア政府は約1947万人を対象とし、2029年までに全ての受給者に栄養給食が行き渡ることを目標としています。
対象は幼児から高校生の子どもだけではなく、妊娠中や授乳中の母親も含まれ、日本でいう保健センターのような場所で給食が提供されます

給食施設の形態・スケジュール

給食の提供形態は給食センター、給食室、配達サービスの3種類であり、生徒が2000人以上の学校になると給食室を施工しても良いとされています。また、配送に30分以上かかる地域については配送サービスが提供、1日かかる僻地になると1か月または1週間ごとに真空パックで配達されるようです。
給食の用意は前日17時からの食材準備から始まり、深夜0時から調理に取り掛かります。朝6時には配送準備に着手し、7時45分から12時までの間に幼稚園から順次配送するようです。

実際の給食施設

ボヨラリ給食センター

2棟の給食センターで1200食を調理、100校へ配達。
ここは模範施設として、建物、厨房機器、調理設備、調理器具、食器、事務機器、発電機、車両等全て中央政府が提供しているようです。
スチーマーで740gの米を1時間で炊飯しています。食洗器は導入されておらず、回収後のプレートは手洗いで、送風室で自然乾燥させています。
断食月は通常メニューとは異なり、ナツメヤシ、ナッツ類、パン、ビスケット、牛乳等、断食明けに食べるよう、日持ちするメニューを袋に入れて下校時に提供しています。

スレマン給食センター

200-300食を提供する給食センター。両開きのトラックで配送準備をしています。

まとめ

無償栄養給食プログラムの本格始動から4か月。
始動間もない給食センターは徐々に食数を増やしていき、3000食の供給能力を目指しています。
妊婦から高校生まで、安定した栄養のある給食の供給を施すため、インドネシアの学校給食は今まさに一歩踏み出しました。
これからの成長と変化に、引き続き注目していきます。

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この記事は2025年2月時点の中西製作所による調査によって制作いたしました。
間違い等がございましたら修正いたしますので、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。